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8月24日 Mon 「ぐるぐるシマシマ。」






なんと、8月も残り一週間。
昨日から急に湿度がいつもの半分くらいになり、肌もさらさら、足もすうすう、ずいぶん凌ぎやすくいです。


同じものをずっと作っていると、全然違うものを作りたくなる現象。
これは精神衛生上とても大事なこと。たぶん。

ここんところずっとミトン続きだったので、突然シマシマの靴下が作りたくなる。
いろんな色のツイード毛糸をずんずん編む。
両足、別々の配色。きのこ狩りにもよさそうな?長靴下。
まだ個展までにやることが山積みなのですが、時間があればもう1足編みたいです。
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8月15日 Sat 「岩瀬文庫に行ってきた。」






図書館好きなので、いろんな町の図書館に行ったりするのですが、西尾の岩瀬文庫は今回はじめて行きました。

岩瀬文庫とは、明治時代、西尾の肥料商であった岩瀬弥助が私財を投じて独力で設立した私設図書館で、 現在は古書ミュージアムとして西尾市が運営しているそうです。

博物館としてもなかなか面白いところと聞いていたので、いつか行ってみよう!と思っていたところでした。
ちょうど、おもしろそうな企画展『秘伝の書 ヒミツ ナノニハ ワケガ アル』が開催中でした。
出版文化が花開いた江戸時代には、さまざまな“秘伝書”が世に現れたそうです。
“秘伝書”といっても、手裏剣の扱いや兵糧丸の作り方が載ってる忍者の秘伝書とかではなく、芸道の家元が一般向けに書いた入門書、職人がプロの技を披露するというもの、日常生活のさまざまなコツを集めた“暮らしの便利帳”のようなものをいうそうです。

右上の本は、ヤママユの飼育方法、繭かけ、糸かけ、織り方のマニュアルだそうです。長野、広島の名産となっています。 口承も大事だけど、やはり書物で残すことの意味は本当に大きいのだなあ。

そしてやはり興味をそそられるのは、一般庶民の日常。
右下の本にはこうありました。

*読者から質問「第10号の織田信さん投稿の“イモ饅頭の製法”について、芋と米粉、白砂糖を分量どおりに混ぜて餡を包もうとすると手にくっついて包めない。米粉の量が間違っていると思い、増やしたら口当たりが悪くなった。分量に間違いはありませんか?」*記者からの答え「分量の間違いではなく、いちいち手に水をつければうまく包めます」

過剰なアイソは必要なしって感じで面白い。
ほかにも、鼠を捕獲する方法とか胎児を健康に保つ方法など。

古書って読めたらおもしろいんだろうなあ。
ここには8万冊にものぼる蔵書があって、しかもすべて閲覧可能だそうです。





せっかくなので、閲覧室も利用してきました。
この柱を見て、まさか『雪華図説』が(「雪の殿様」土井利位が日本で初めて顕微鏡で雪の結晶を観察し、それを書き写した本)‥?と思い職員さんに訪ねると、ありますとのこと。
古河の博物館でも見てるはずですが、手にとって見るのは初めてです。

踊る心を抑えながら荷物をロッカーにいれ(基本的に撮影は禁止。書物を汚さないよう荷物は全てロッカーにいれます)申し込み書を提出すると職員さんが書庫からリクエストした本を木箱にいれて運んできてくれます。
丁寧に扱わねば‥と慣れぬ古書の扱いに少しドキドキ。

『雪華図説』は薄茶の表紙に和綴じ、想像以上にシンプルな装幀。
本文の紙はぺらぺらの薄い紙で少し光沢があり、本自体も極薄で繊細な雰囲気が漂っています。
職員さんに訊ねると、「糸の綴じ方が日本のように等間隔ではなく中国風の綴じ方、本文の紙も雁皮紙よりももっと薄いとても高価な紙が使われており、当時としては最先端でそしてかなり凝ったつくりの本だったと思います」とのこと。
雪の図柄を引き立たせるには、上質な紙とシンプルな装幀。
今の時代からすると一見地味に感じるけど、これが最高にあかぬけたクールな本だったんだなあ。
古書の魅力に、あらためて感動。

そしてもう一冊。
「アイヌに関する本、できれば絵がたくさん載っている本はありますか」という何ともおおざっぱ質問に嫌な顔ひとつせず持ってきていただいたのは『蝦夷漫画』(著:松浦武四郎)。
こういうのがあったんですね。シコツ(=千歳)の辺りのアイヌも登場して、うーんこれはなかなか興味深い本!
松阪の松浦武四郎記念館に解説付きの復刻版が販売されているようなので、いつか行ってみたい。

調子にのって最後にもう一冊。
小藤太物語』という室町時代の絵巻物も見せていただきました。
可愛らしい雀の姿と厭世観ただよう世界。
フグと出逢う前だったら、全然違う印象だったんだろうなあ。心にぽつんと残る物語でした。


古書の世界の面白さもさることながら、職員さんのプロフェッショナルぶり、知識という抽き出しの多さに本当に感動した一日でした。わたしのような古書ビギナーでも、興味の分野さえはっきりしているなら、親切に相談にのってくれるのですね。


古書に興味のある方に、オススメの場所です。





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8月8日 Sat 「数えて掃除して並べて‥」









世の中はもうお盆休みモード突入なのでしょうか。
ずーっと外遊びしていないので、どこか緑あふれるところに出かけたい〜

さっき、山梨に出かけようとした家族から、東名でものすごい渋滞にハマってしまい、
やる気を無くしたから帰るわ‥という電話が。
高速代1,000円は確かに魅力だけど、渋滞でヘロヘロになってまでは行きたくないなあ。
(田舎育ちのひとは渋滞に慣れていないのである)
遠くに行きたい!でも渋滞はいやだなあってひとは、早朝5時出発くらいの覚悟が必要ですね。



作品につかうヤママユの繭の掃除。
クヌギの枝葉と、色の悪い毛羽を取り除いてゆきます。
本当は繭にクヌギの葉っぱが巻きついていたほうが雰囲気があって好きなんですが
時々スキマに小さいゴミが入っていたりするので、やはり商品として出す以上、取り除いたほうがいいかなと。
あ、部屋の中だけど、緑あふれてるかも。


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8月4日 Sat 「モチーフ。」






今度の個展のテーマは「森と糸」。
モチーフとなるものは自分が思ってた以上にすぐ近くに溢れてるってことに気づき、そうかあ!と嬉しくなる。



今カーテン越しに垂れ下がり涼やかな演出をしてくれているのは、サルオガセモドキ。
根をもたず、空気中から水分や養分をとるエアープランツの仲間でパイナップル科の植物です。

昔、沖縄の植物園に行った時にガイドのおじさんが何度も何度も「サルオガセモドキ、サルオガセモドキ」と連呼してくれたおかげで、名前だけは強烈な印象としてしっかり覚えていたのですが、名前の由来を知ったのはごく最近。
樹に付着し糸状に垂れ下がるサルオガセという地衣類の仲間があるんだけれど、それによく似ていることからサルオガセモドキという名がついたんだとか。

サルオガセは何度も自生してるところを目撃していますが、
そうかあ、サルオガセの中にサルオガセモドキが混じってても、全然気がつかないかも。

漢字で書くと、猿尾枷擬だそうです。
枷(カセ)とは、手カセ足カセのカセで罪人をつなげておく刑具のこと。
そこまで説明してもらえば、絶対忘れない名前です。サルオガセとサルオガセモドキ。



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