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7月30日 Wed 「しおれる翅」






妖精さんたちの翅は少しずつしおれてきた。あまり動こうとしない。
カイコは成虫になってからは水も餌もいっさい口にしない。
子孫を残す役目を終えれば、長生きする必要もないのか‥
生きているのは残り4匹になってしまった。

この子は右側の翅に黒いホクロがある女の子。
オスメスの判断は、身体の大きさでわかる。(顔を見てもわからない)
メスの腹はオスの倍以上大きい。
サナギの時から大きさの違いは一目瞭然だった。






丸い筒に交尾したメスをいれると、こんな風にいっこいっこが重ならないようきれいに卵を産む。
初めは薄い黄色で、2日くらいすると紫色っぽくなる。

可愛そうだけれど繰り返し育て続けることはできないので、カイコガと一緒に土に還します。
ほんとうに大人しくかわいい生きものだったなあ。
前脚で触覚をなでる仕草はたまらんかった。

成虫の顔にキュンとしてくださった方もけっこういらっしゃったよう。
カードにして欲しいです、いつも眺めたいのですとおっしゃってくれた奇特な(笑)方もいらして嬉しかった。
蛾は恐くないんだ!カイコってこういう生きものだったんだ!と興味を持ってくれた人がいただけで、
飼育した意味はあった。

カイコから糸をとる場合は、繭(サナギが中に入っている状態)を茹で、糸を引き出すそう。
中身のサナギは魚や鶏の餌になるそうです。
(初めて知った時はショッキングだった)

そして、信州では、人間の食料にもなってしまう。
(これまたショッキングだった)

そういえばお土産でもらった『かいこのさなぎ 大和煮』結局誰も開けられなくて
そのうち賞味期限も切れちゃってまだ食料庫の片隅に残されていた。
命を無駄にしてしまっって申し訳ないけど、やっぱり無理だった‥開けるのさえも‥

カイコの他にも、蜂の子とかイナゴとかザザムシ(山に囲まれた地域の人にとって昆虫は良質なタンパク源だった)などいろいろな珍味が揃っている信州の食文化。
挑戦したいとは思わないけど、そういう面白い文化は興味深いです。








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7月29日 Tue 「OUR DAIRY BREAD」







日曜日に観に行った落語の会場の過剰冷房(骨の髄までヒエヒエ)ですっかり体調がくるってしまった。
昨日1日たくさん寝て、ぼおっと過ごし、ネギとか栄養あるものいっぱい食べて今日は復活。

しかし、噺家さんの頭の中はどうなってるんだろうか。さっき言ったことも忘れちゃうような人間からすれば、
2時間(休憩挟むけど)ぶっ続けで喋り続けるという脳の回路が信じられない。
脚本、演出、主演(しかも何人も演じる)ぜんぶ一人でやっちゃうんだもんなあ。
内容はかなり危なっかしくて、自由奔放。たぶんそうめったには見られないアナーキスト。
時事ネタも多く、わたしのような若輩者でもじゅうぶんたのしめるものだった。


土曜日は、となり町の某会館で『いのちの食べかた』という食のドキュメンタリー(2005年/オーストリア、ドイツ)を鑑賞。
名古屋(名古屋シネマテーク。なんとも味わい深いミニシアター)を観逃したのでもうチャンスはないと思っていたけれど まさかこんな近くで上映してくれるなんて。しかも、タダだった。

ニッポンの食料自給率の低さは言わずもがな。膨大な量を輸入しておきながら、残飯の量は世界一。
世界には、きれいな水も飲めず飢えで死んでいくひとがたくさんいる。
そして贅沢病の国の住人はグルメだのメタボだのダイエットだの暢気にのたまわっている。
何がどうなっているのか。
食品への不安も関心も高まっている今だからこそ、この映画は観るべきかもしれない。

ベルトコンベアーで運ばれる大量の家畜たち、それを育て、選別し、人工繁殖させ、解体していく人々。
そこには情なんてものはまったく不要で、生きていくために、誰かの代わりに、
ただ淡々とマニュアル通りにそれを行う。

おおよそのことは予想ついていたけれど、やはり目を背けずにはいられないシーンがひとつあった。
そういうのに限って頭から離れない‥

ひと仕事終えた従業員たちのお昼休憩の様子は、なんら普通の人と変わらない。
黙々と食べ物を口にいれ咀嚼する。無表情。
すべてが日常だ。
ナレーションも、インタビューもない。映像と機械の音、動物たちの鳴き声。
大工場、大農園の撮影、美しい色彩を俯瞰。

あまりにも淡々と行われる残酷さ非情さに、時々、この世の出来事じゃないみたいに感じる。
どこか知らない惑星での出来事のような、過去なのか未来なのか、いつの時代かもわからないような。そんな感覚。
岩塩を掘る、深い地下洞窟の白い映像は美しかった。こういう採掘を観たのははじめてだった。

観たあとの何ともいえない心のモヤモヤ感は、やはり嫌悪感というより罪悪感か。
生きてくためにしてるさまざまな事、間接的とはいえ誰もが関わっていることをまざまざと見せられ
知らないふり、見て見ぬふりをしようとしてた自分と向き合うことになる。

いろいろ考えながらも‥鶏や豚や牛、すべての野菜も果物も、わたしは今まで通りに食べていくだろう。
日々の糧は、他者の命。
肝に銘じ、また忘れそうになったらこの映画を思い出したい。

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7月26日 Sat 「納品しました。」







やっと制作が終わり、発送も済ませ、ひとだんらくです。
(今回納品分は、まち針の色が違います。きいろとみどりが新しい色、あかもあります)

たくさん作るのは大変だけれど、それだけ達成感も得られます。
おっちょこちょいなので、いろいろ間違えがないよう何度も何度もチェック。
そしてとりあえず最後にずらりと並べてみる。習性でしょうか。



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7月24日 Mon 「みどりの王国。」







今月発売の ku:nelさんの表紙、なんて美しいのでしょう。
頁をめくるとつぎつぎに深いみどりが目に飛び込んできてゾワザワします。
目が喜ぶとはこのことです。

“小さな庭の大きな発見”という特集の中で、我が家のベランダの植物たちが登場しています。
(取材もほんとうに楽しかったです)
ぜひ、書店にて、手に取ってみてください。
自分が載っているから、とは関係なしに(笑)、今月号の特集はどれもグッときます。
特別付録のRose Book もあるし、来年こそはバラを咲かせたいなあ。

素敵に撮っていただいたウサギゴケは、あの撮影のあとフグに全部食べられてしまったのでした。
スズメがウサギ狩りか〜と笑うしかなかったです。
その後養生させ、今は一匹二匹ぽつぽつ戻ってきた状態です。








週末にみどりの王国で見つけた巨大キノコ。
なんか、美味しそう。









週明けから続々と羽化し始めました。
羽化後はカイコガと呼びます。
羽化は深夜から明け方に行われるため、朝起きたら全部終わっていた状態。
変態ぶり、見逃した〜
繭から脱出する瞬間は結局一度もカクニンできず。
口から出す酵素液で糸を広げ、脱出するそうです。
その際、糸は切らずに出てくるというのだから、驚きです。

メスは一匹につき卵を500個も生むそうです。
とても育てられないので交尾はさせないつもりだったんですが、
離しておいたオスはメスから発せられるフェロモンに引き寄せられ‥
知らないうちに始まっていました。
カイコガは飛べないけど、ちょっとくらいは移動できるのです。油断してました。

蛾というものは得てしてイメージがあまりよくないもの。
「ガ」という響きがなによりもまず、よくないんですきっと。

蛾のおもな特徴は、胴体が太い、夜行性、触覚が櫛状や羽毛状、色が全体的に地味‥など。
しかし見ておくれよと言いたい私は。このカイコガのなんとも愛らしいお顔を。
フワフワのモフモフのこの身体を。
大きな複眼、繊細な工芸品のような櫛状の触覚を。

オスはメスを識別するのに、視覚ではなく、触覚でメスを感知するそうです。
夜行性の動物はそのほうが都合がいいもんね。
メスのお尻の誘引腺から出されるフェロモンに、引き寄せられるのだそう。
(ちなみに、フェロモンという語源は、メス蛾が分泌する信号にオス蛾が引き寄せられ集まる現象が実証されたことに由来するそう)
オスが時々いっせいに翅をぶんぶん振るわせていたのはそうかあ、フェロモン信号発生中だったんだ。

カイコガくんたちはあと一週間ほどで短い命を終えます。
絹糸を紡ぎ出すカイコ、そしてそれを観察力、想像力、地道な作業をもって人間の生活に利用し文化にまで高めた
いにしえの人たちに、ただただ感動するばかり。

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7月16日 Wed 「こんにちは。」














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7月15日 Tue 「世捨て人。」






作っても作っても終わらない〜 
午前中、セミのひと鳴きを確認。
愛知は連日30度越え。時折頭が砂嵐、王冠が繭に見えてきます。
(間違って繭を送らないように気をつけます)

飽きないようにうまくローテーションしながら。
いっこずつ地道に、ゴールまでひたすらコツコツと。


ウニだのキノコだのコケだのカイコだの、浮かんでくる言葉は「世捨て人」。






今日のお昼は、月兎社さんに教えていただいた、セイロ(蒸篭)でつくる中華まん。

最初は、ドライイーストがちょっと古かったり、皮を薄くしすぎたり、中身を詰め過ぎたりで
うまくいかなかったけれど、2回目以降でやっと中華まんらしくなってきました。
強いて言えば、ふくらみがもう少し欲しいのだけれど。
でも、めちゃくちゃ美味しいのです。
ほかほか肉まんを温かいお茶と一緒にいただく。
いつも冷たいものやさっぱりとしたものばかり食べて夏バテしてるような気がするので
今年は温かいもの、少しボリュームのあるものをどんどん食べよう。


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7月9日 Wed 「地下室?」






何度移動させてもわざわざせまーい地下室に入り込むひとがいる。
どこの世界にも天の邪鬼タイプはいるのですね。

今日の午後にはほとんど中の姿が見えなくなる。
糸をはる時のミシミシミシという音ももうほとんど聞こえない。
羽化までには12日程かかるそう。
この期間、一見何の変化もないように見えるけれど、
中ではすんごいスーパーミラクルイリュージョンが繰り広げられている!


王冠の針山の注文受付終了しました。
どうも、ありがとうございました。
お届けまでしばらくお待ちくださいね。

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7月8日 Tue 「営繭」






一番まるまると太った子と、食の細い?ほっそりおチビさんの差が気になる。
昨日あたりから、糸を吐き出したり、頭を上げクネクネさせたり、餌を食べなくなってきた子が増えてきた。

観察用の透明プラスチックケースに孔をあけ、厚紙でまぶしを作る。
いよいよカイコの繭作りが見られる。

今まで芋虫なんて触ったことがなかったのに、今は素手で触れるようになった。
感触は‥ハリのある大福。

説明書きにあった“カイコはとてもやさしい昆虫です”の言葉通り、ほんとうに慎ましくおとなしい動物だ。

ケースにいれたカイコは見た目繊細な(でも頑丈)糸を吐き出し、数時間で足場をつくった。
半日とちょっと経った今日の姿がこれ。
透けてる身体を見ると、ものすごい縮んでいるのがわかる。
繭の丸みもはっきりわかるようになる。光に透かすととてもきれいだ。
これが全部一本の糸でできているなんて、信じられない。
ほぐれた糸は八の字を描いてとれるそうだ。






歪みがひどい、耐震強度ゼロ(笑)のカイコマンション。
ケース以外の11匹のみなさんはこちらに入室してもらう。
201号室と206号室の人は順調。
カイコは上へ上へ登っていこうとする。






その静かな営みは、清らかでそして厳か。
生命の神秘を間近で見られるこのシアワセ。



針山のご注文ありがとうございます。
贈り物にと何個も買ってくださる方が多くて、嬉しい限りです。


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7月7日 Mon 「オープンしてます。」



王冠の針山、受注受けつけています。
恵文社さんへも再び納品させていただく予定です。




散歩途中で、スイカ畑。(ピントあわせ誤った)
そう言えば、今年はまだスイカ食べてなかった。
朝市にでも出かけて、もぎたてスイカ1玉どーんと買いたい気分です。
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7月5日 Sat 「自宅で蚕飼育」








急に夏がやってきたような蒸し暑さ。
ひたすら、針山制作。


我が家では蚕がスクスク成長中。
フグとお別れした喪失感から蚕に走った‥わけではありません。

けっしてムシ族のみなさんは得意なほうではないのだけれど、
蝶や蛾の仲間の完全変態(卵→幼虫→蛹→成虫)というものの神秘さには以前から大きな感心を持っていて
一度この目でその変態ぶり?っていうか、糸を吐き出しながら繭を作っていく行程を見てみたいと思っていたのだ。

今までも養蚕業の資料館とかで桑の葉に群がるお蚕さんを何度か見学したことはあったけれど
そういうところでは繭作りの行程や羽化した姿は見られない。
「こりゃあ、自分で飼うしかないなあ」と思っていたのです。

後に読んだ蚕の本で、蚕はもともとは中国で野生に生息していたクワコに改良を重ね家畜化されたもので
“長いあいだ人間に飼いならされたことで飛べなくなってしまった”ことを知る。
なんだかその部分が頭から離れず、ずっと気になっていたのだ。


カイコ飼育セット」は、畑へ桑の葉を探しに行く必要もなく、みどり色の人工飼料で育てられます。
到着したお蚕さんたちは生まれて18日ほど経った5令の幼虫。
一週間で繭作りを始めるそう。
順調にいけば来週の水曜日あたりから始まるので、
それまでに、段ボールでお蚕マンション(井桁のまぶしと呼ばれるもの)こさえよう。
間違って蚊取り線香焚かないように気をつけよう。(死んでしまうそうです)






餌のところからほとんど動かない。脱走の心配もない。実におとなしい。
見慣れると、けっこうかわいく思えてくる。

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7月3日 Thu 「旅のつづき」






木造の中学校。いまも現役。







JA喫茶という言葉に惹かれた。







きつい坂を歩いた。おっかない虫もいた。 猫道もあちこちに。







細い路地をゆくと、たまに人の家の玄関にいきなり辿りつくことも。







ナイス転用。







乳ネコ。







仲良しだった。







ぎゅうぎゅうサボテン。












苔ロール。







倉敷歩きにて。







倉敷民芸館なども寄ってみる。












日本ジーンズ発祥の地、児島。
ノコギリ屋根の工場(跡地?)やボタン、テキスタイルといった看板があちこちに。さすが繊維の町。
こちらは、KAPITALの本店。表のバスはなんと商談に使われているそう!







バスの入り口。 移動中に見つけたマネキンカー。







下津井の港町にて。







最後の日は雨模様だったので予定を変更し、神戸の町歩き。
中華街はなんだかテンションが上がる。
中国茶専門店が意外にも少なくて残念。麺ものが美味しかった。
考えたら、知らないうちに三大中華街(横浜、長崎、神戸)を制覇してした。

神戸は古い建物の中にお洒落なお店が入っていて、楽しい。
京都もそういうところはあるけれど、また違う感じだ。
栄町付近だけで、10店舗くらいは覗いたと思う。
裏から見ると 煉瓦、表は石造り(花崗岩)の海岸ビルヂング(元貿易会社の本店。登録有形文化財)
の中をうろうろ探検するのも楽しかった。


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7月2日 Wed 「梅雨空の下のビッグキノコ」








児島の町で出逢ったビッグキノコ。
歩道脇の芝生でぬぼうっと立っていた。


王冠の針山は、何個制作できるかわかり次第、UPいたします。
お待たせして、すみません。

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7月1日 Tue 「シダ+ 花器」










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